<ヤマハレディースオープン葛城 事前情報◇2日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6475ヤード・パー72>
荒天のため54ホールに短縮された昨年大会は、最終日に5打差を逆転して優勝を飾った小祝さくら。ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨むが、「あまり連覇は考えていないです」と肩の力が抜けた、いつも通りのリラックスムードだ。
今年はメルセデス・ランキング上位の選手たちが、こぞって米国女子ツアーへ主戦場を移した。国内女子ツアーはまさに群雄割拠の時代を迎えようとしている。その中で年間女王の本命と目される小祝だが、開幕戦ではまさかの予選落ちと出だしでつまずいた。
しかし、第2戦の「Vポイント×SMBC」で10位に入ると、先週の「アクサレディス」では最終日に裏街道から『65』の猛チャージで2位フィニッシュ。「ショットがよかった」と語るように、試合を重ねるごとに調子を上げてきている。
この日、コースで調整を行ったが、ショットについては「普通くらいです」と言ってニコリ。好調の根拠を確信できているわけではないが、良い流れで試合に臨めることは間違いない。
ただし、舞台となるのは国内女子ツアー屈指の難コース。距離が長く、グリーンの傾斜も強い、名匠・井上誠一氏が手がけた“マスターピース”だ。「グリーンが乾いてきたら、さらに難しくなると思う。しっかり調整したい」。何度回っても、一度は制覇しても葛城へのイメージが易しくなることはない。
さらに、今年から2番ホールの距離が410ヤードから430ヤードへ延長された。左右にOBがある右ドッグレッグで、飛距離の出る選手は、右の池越えショットも可能だが、アゲンストが吹くと状況は一変する。
「きょうはしっかり右の池の上を狙って、完璧なショットが打てました。アゲンストが強いと池越えが厳しくなりますし、左も狭いのでどうなるか分からないですね」。難コースに、新たな難題が加わり、「(進行が)詰まるんじゃないかな。フォローを願っていきたいです」と、あとは神に祈るしかない。
節目のツアー通算10勝目を挙げた思い出の地で、“年間女王本命”は今季初優勝を飾ることができるか。「まずは予選ラウンドを頑張りたいです」。マイペースに、連覇への道を一歩ずつ前進していく。(文・齊藤啓介)